島唄

奄美は民謡(島唄)の宝庫。島の人々は、苦しいときも、うれしいときも島唄とともに生きてきた。「ウタは 半学問」という奄美の諺があるが、島唄の社会での機能性を表現しているといえるだろう。人々は労働を唄い、 祭りを、恋を唄い、死を唄った。そこには、必然的に人生観や世界観までも唄い込まれている。昔日の奄美の 人々の表現力は感銘的だ。
今でも、人が集まれば黒糖焼酎がふるまわれ、三味線・太鼓をバックに島唄が唄われる。哀調を帯びたメロデ ィーに、ふりしぼるように唄う島唄の数々……。最近では音楽界の中でも、この独特な旋律の島唄が注目を浴び はじめている。

■せとうち島唄マップ
■せとうち唄者ギャラリー

せとうちのホームページでは、RealAudioを利用して、島唄をご紹介していきます。唄者・三味線は、瀬戸内町 嘉徳出身の元ちとせさんです。なお、このページの音源等には、(株)セントラル楽器様のご協力をいただきまし た。

第1回(1998.03.16)

朝花節

第2回(1998.05.07)

くるだんど節

第3回(1998.09.22)

豊年節

 

<唄者プロフィール>
元 ちとせ(はじめ ちとせ)
瀬戸内町嘉徳出身。'94年に15歳で奄美民謡大会新人賞を受賞。 '96年、同大賞を受賞、年齢を超えた歌唱力には定評がある。ハイトーンの澄み切った声は絶品。奄美の島唄の次代を担う一人。

■行きにゅんにゃ加那節

[唄の解説]
愛しい人との別れを歌った歌で、この加那は、恋人にも親しい肉親にもどちらにでも解釈できる。この歌のルーツをたどると、本土系の数え歌だが、今は奄美民謡の代表曲といってよいだろう。最近はロック版やレゲエ版などが出て演奏されている。
 

1.

行(い)きゅんにゃ加那(かな)
吾(わ)きゃ事忘(くとわす)れて
行きゅんにゃ加那 打(う)っ発(た)ちゃ打っ発ちゃが 行き苦(ぐる)しや
ソラ行き苦しや(ソラ行き苦しや)

[訳]

行ってしまうのですか、愛しい人。私のことを忘れて行ってしまうのですか。いや発とう発とうとするが、あなたのことを思うと行きがたいのです。

2.

阿母(あんま)と慈父(じゅう)
物憂(むぬめ)や考(かんげ)えんしょんな
阿母と慈父
布織(ぬぬう)て賃金取(ちんめと)て 召(み)しょらしゅんど
ソラ召しょらしゅんど(ソラ召しょらしゅんど)

[訳]

お母さん、お父さん。物思いをし、あまり考えなさいませんように。私が布織 りをして賃金を取り、ちゃんと食べさせてさしあげますから。

3.

目ぬ覚めて
夜(ゆる)や夜(ゆ)ながと 目ぬ覚めて
汝(な)きゃ事思(くとう)めばや 眠(ねい)ぶららぬ
ソラ眠ぶららぬ(ソラ眠ぶららぬ)

[訳]

目が覚めて、夜中じゅう目が覚めて、あなたのことを思って眠られません。

4.

鳴(な)きゅん鳥(とうい)くわ
立神沖(たちがみうき)なんて鳴きゅん鳥くわ
吾(わ)きゃ加那(かな)やくめが 生(い)き魂(まぶり)
ソラ生き魂

[訳]

鳴く鳥がいる。立神の沖の方に鳴く鳥がいる。いや、あれは私の愛しいあの人の生き魂が鳴かせているのだ。

 

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